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水のお話

水 2 003 01
パンを作るにあたり、粉の配分の次に多いのが水分である。ほとんどの生地で対粉で60~70%の
水分が入る。そして水分量の多くが水である32年来、我がリッチモンドでは水は水道水を使う。僕が自慢するのもなんだが、宇部市の水道水は美味い。そしてそれ以上に美味いのが防府市の水道水である。

宇部市の水道の元は厚東川ダムで、これは全国的にも一番多いかたちであろう。日本の水の平均的と言うか、バランスのとれた水であろうか。ここでパン作りに最も影響してくるのが「硬度」なのであるが硬度が高いほどカルシウムとマグネシウムが多い水となる。そして日本の水の多くが、硬度10~100の間で、いわゆる軟水である。これがフランスなどに行くと200以上で、これを硬水と呼ぶ。

宇部市の水が硬度、約70前後。菓子パン、食パン、フランスパンとほぼ全域に渡って作りやすい硬度である。ちなみに硬度が120を越えるあたりで、菓子パン、食パンなどはぱさつきが目立つようになる。逆にフランスパンなどは長時間発酵でより粉の旨味が引き出せるそうだ。ただそれが日本人好みのかというと別問題になる(この話はひとまず置きます)
そして僕はこの宇部の水で20数年間仕込んでき、最も馴染んだ水となる。

そして今から3年前に防府店を出店し、一番気になったのが水であった。当時防府市水道局にも問い合わせをし、成分表もいただき、また水道局の担当者の方からも丁寧に説明をしていただいた。

防府市の水は地下水である。この水の美味さは当初驚きであった。特に夏場が最もこの水の美味さを把握できた。そして問題の硬度である。

防府市の水は硬度27,5。(担当者の方曰く、宇部市の硬度70とそんなに差はない)

でも、実は非常に困ったのでした。

硬度が低い分、本来の水分量で仕込むとべとつき、ミキシングが長くなってしまった。よって吸水を減らし対処する。が、どうもつかめない・・・

それでも何とか試行錯誤の上、物にしていった・・・

そして現在は、防府の中山店長の大成長もしくはいよいよ防府の水に馴染んだのか、非常に良いパンが並んでいる。特にソフトなパンはよりソフトでしっとりとしており、宇部で作る物よりも高品質なパンが焼き上がっている。実はこれは驚きの事実だった。もちろん吸水は宇部店より2~3%少ない。にも関わらずしっとりとしている。ふわふわなのだ。

しかしハード系は難しい。生地の力が出にくくボリュームが出ない。本来の製造工程では従来のフランスパンができづらく、吸水は少なめで発行時間も少なめで何とか物になるといった具合だ。

これは出店前の市場調査で気付いたのだが、防府市のパン屋さんにはフランスパンを置いているお店が少なく、仮に置いてあっても数が少なかった。逆にソフトなパン屋さんが人気で、売れる物もよりソフトなものであった。


総じて「水」とは、この地で暮らす上で最も肝心要人、必要不可欠なもので、またこの「水」の善し悪しで人も左右される。我がリッチモンドのパンがこうして防府市の水に馴染み、防府市独自のリッチモンドのパンに生まれ変わり、それを愛してくださるお客様がいらっしゃる。水の硬さという一点で食文化さえ変わってくる状況の中で受け入れていただけた現実に深く感謝する。

宇部店・防府店 共にリッチモンドとして、更に技術を磨き、お客様へ愛される店へと発展させる事をここに誓う。

水のお話でした・・・

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プロフィール

リッチモンド

Author:リッチモンド
21歳の時より師である父親の元パン作りを学ぶ。H15独立。昔ながらの味を守りつつ新たに探求。食べること、作ること、そして喜んでもらえることが自分の喜びである。食(しょく)に関しさまざまに綴って参りたい。

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